2×4工法の特徴とは?メリット・デメリットを解説
公開:2023.10.24 更新:2023.10.302×4工法の家を建てる際には、工法の特徴や背景について知っておきましょう。また在来工法との違いを把握し、比較することも大切です。2×4工法には多くのメリットがある反面、もちろんデメリットもあります。両面をしっかりと把握して、理想の家を建てましょう。
目次
2×4工法とは?工法の特徴を解説
家づくりにおいてよく耳にする2×4(ツーバイフォー)工法ですが、何を意味するのか知らない人も多いかもしれません。
家を建てることを検討している人もこの工法を知っておくと、家づくりの参考になります。
2×4工法とは?
2×4工法とは、木造建築工法で木造枠組壁工法の1種のことです。2と4という数字は、家を建てる際に使用される角材サイズが2インチ×4インチであることからきています。
2×4工法以外にも2×6工法や2×10工法など、角材のサイズごとの工法も存在します。
2×4工法が広がった背景
もともと2×4工法が日本に渡ってきたのは、明治初期のころです。2×4工法の原形であるバルーン・フレーミング工法で、現在の札幌時計台などさまざまな建物が建設されていました。
そして時を経て昭和40年代に入ってから、住宅を商品として供給するようになったことで需要が高まり、2×4工法は昭和49年に枠組壁工法として技術基準が定められます。
オープン化したことで2×4工法は日本の住宅として定着し、現在に至ります。世界中で住宅建設で活用されており、現在ではアメリカ、カナダを中心に活用されています。
六面体構造
2×4工法の基本構造は、六面体構造(箱構造)です。2×4工法や2×10工法の住宅の場合の六面体構造が出来上がるまでの流れは次のとおりです。
1. 2×4材などの角材を組み枠組をつくる
2. 枠組に構造用画材を接合、ダイヤフラムを構成する
3. これらを一体化、六面体構造を形成する
このようにつくられる六面体構造の住宅は耐震性に優れているところが特徴で、地震の衝撃を一点に集中させず家全体に分散させることで家の変形、倒壊などを防ぎます。
在来工法との違い
在来工法は木造軸組工法とも呼ばれており、国内で古民家と呼ばれている建物はこの工法で建てられていることが多いです。
この工法は、柱と梁の軸組によって組立てていく手法ですが、一方の2×4工法は面を組み立てていく手法で行います。
そのため、2×4工法とは異なり、在来工法は職人の技量によって耐久性などの仕上がりに差が出る工法でもあります。
また、耐震性を確保する方法も異なり、2×4工法は面の配置を細かく決めることで耐震性を確保しています。それに対して、在来工法では補強金物の使用や壁の量を規定するという方法をとっているのも特徴です。
このように同じ木造建築でも、工法が異なるだけで工程はもちろんですが、耐久性・耐震性に大きく関わってくる部分でもあります。
2×4工法のメリットとは?
2×4工法には次の4つのメリットがあります。
耐震性
2×4工法は耐震性と耐久性に優れた工法で、地震や台風にも強いです。
在来工法のように地震が来た際、一点に衝撃が集中せず、面で分散するため一部分に衝撃が集中しません。
耐火性
面で構成するため、防火対策しなくても構造的に消火・防火機能が備わっているのが特徴です。
壁内は石膏ボードが入っており石膏ボードに含まれる成分結晶水が熱分解するため、水蒸気を発生させて発火しづらくします。小火程度であれば、そのまま鎮火するケースもあります。
空気が乾燥しやすい地域に住んでいる人や火災が心配という人は、2×4工法を検討してみるのもおすすめです。
高気密・高断熱
面をつなぎ合わせるため、在来工法と比較しても隙間が生まれづらく気密性と断熱性が高く、部屋に外部の冷気や熱気を入らないため、快適に過ごせます。
また、気密性・断熱性が高くなると、耐火性も高まります。
ただし、高気密高断熱になるかはハウスメーカーなど、施工する業者にもよるため、注意が必要です。
工期短縮
在来工法と比較して工期が短いのも特徴で、2×4工法はシステム化されているため現場の作業量が削減されるため工期を短くできます。
また、工期が短いとコストも削減できるのもメリットの一つです。
2×4工法のデメリットとは?
2×4工法のデメリットは3つほどあります。メリットとデメリットを知っておくと、マイホームを購入する際の参考にできます。
自由度が低い
2×4工法は壁で強度を高めているため、壁をなくして大きな窓をつけるなどが難しいです。そのため、間取りの自由度が低いため、曲線を活かした部屋などをつくりたい人にはあまり向きません。
リフォームが難しい
壁を壊して部屋を広くすることが難しいため、リフォームがしづらいのもデメリットの一つです。
建築基準法の範囲内であればリフォームは可能ですが、開口部を広くとるなど壁を壊すことが必要なリフォームをする場合は他の工法を検討した方がよいかもしれません。
2×4工法で家を建てる際は将来的に壁を壊すなどのリフォームをするかどうか、考えておく必要があります。
結露が生じやすい
気密性・断熱性が高いところが2×4工法のメリットですが、一方で施工によっては結露が生じやすくなる可能性があるため注意が必要です。
施工会社を選ぶ際は、施工の際に結露や防湿対策をしっかり行っているかどうかホームページなどで調べておくのがおすすめです。
構造材や木材の質、床下の防湿性・通気性などは住宅の耐久性などにも関わる部分のため、チェックしておきましょう。
2×4工法とは、2インチ×4インチの木材を使用して住宅の骨組みを作る方法です。この工法は六面体構造を採用し、耐震性が高く、耐火性、気密性、断熱性にも優れています。工期が短縮できるのも特徴で、日本を含む世界で広く利用されています。
在来工法との違いは、2×4工法が壁面で強度を高め、耐震性を確保するのに対し、在来工法は柱と梁を使い、職人の技量に依存する要素がある点です。
2×4工法のメリットには耐震性、耐火性、高気密・高断熱、工期短縮がありますが、デメリットとしては自由度の低さ、リフォームの難しさ、結露の発生が挙げられます。
2×4(ツーバイフォー)注文住宅ガイドでは、2×4工法に強い工務店やハウスメーカーについての情報を掲載しております。是非参考にしてみてください。