岡山県で平屋住宅を建てる前に知っておくべきことは?
公開:2024.03.28 更新:2024.09.24平屋住宅の人気が高まっており、50代以上の約3割が「住みたい住宅」として平屋住宅を選んでいます。また、若い世代のなかでも平屋住宅は高く支持されており、特に子育て世代から好評です。岡山県で魅力的な平屋注文住宅を建てるために、知っておくべき知識を押さえておきましょう。
平屋の注文住宅が増加する背景には、団塊世代の高齢化と都心部でのリモートワークの普及により、広大な郊外の生活が魅力的になったことがあります。平屋はバリアフリー性能が高い住宅であり、間取りの自由度が高く、耐震性にも優れています。ただし、建築費用が高額になる場合や、防犯や収納の課題もあるため、計画段階で予算や災害対策を十分に考慮する必要があります。
目次
平屋の注文住宅の人気が急上昇している理由とは?
引用画像:MOMOはうす
近年、平屋の注文住宅を建てる人が増えています。都心部では土地の確保が難しいなどの理由から2階建ての住宅を建てることが一般的ですが、それとは対照的に郊外に平屋の住宅を建てる人が増加しています。なぜ平屋住宅が人気を集めているのでしょうか?その理由について詳しく見ていきます。
団塊世代の需要が高い
平屋住宅の需要が高まっている背景には、団塊世代の存在があります。団塊世代が定年退職を迎える時期に差し掛かり、高齢者にとってバリアフリー住宅が重要視されています。階段がない平屋は、高齢者にとって移動が楽であり、安全性が高いため好まれます。
平屋住宅は階段がない分、住空間を効率よく使えるため、間取りの自由度が高いという利点があります。土地が広ければ、その分より自由な間取り配置が可能です。快適な平屋住宅を建てるためには広い土地が必要になるため建築費用は割高になりますが、夫婦2人であれば20坪から25坪程度の広さがあれば十分です。
都心部に住む必要性が減った
リモートワークの普及が平屋住宅の人気を後押ししています。リモートワークが一般化することで、通勤の必要性が低下し、都心部に住む必要性が薄れてきました。
郊外の土地は比較的安価で広大であることが多く、隣接地との距離が確保できます。そのため、プライバシーに配慮した環境を整えることが可能です。リモートワークは、パソコンとネット環境さえあればどこに住んでいてもできるため、都心に住む必要がないということが平屋住宅の人気を高めているのです。
間取りの自由度が高い
平屋住宅は間取りの自由度が高いことも人気の理由のひとつです。
平屋の場合、階段や上階の荷重がないため、その分の耐震壁や柱が不要となります。この特性により、壁や柱を少なく設計することが可能となり、間取りの自由度が高まります。施主の希望に合わせた理想的な間取りを実現しやすく、「広々としたリビングスペース」や「家族が集まる場所を中心に間取りを配置する」など、住みやすさやこだわりを追求したプランニングが可能です。
子育て世代に好評
平屋住宅は上下階の移動がないため、生活同線の確保がしやすいという点も大きな魅力です。特に子育て世代にとっては、子供の動きやすさや安全性が重要であり、階段のない平屋は安心して子供を育てる環境として理想的です。また、将来的に家族が増えることを考慮しても、平屋であれば部屋の増設や間取りの変更が容易です。
どの世代にもおすすめできる平屋住宅
このように、平屋の注文住宅が人気を集めている理由は多岐にわたります。高齢者のバリアフリー需要、リモートワークの普及、間取りの自由度の高さ、そして家族構成に応じた柔軟な対応が可能な点など、さまざまな要素が平屋住宅の魅力を支えています。これからも平屋の注文住宅は、さまざまなライフスタイルに対応する住宅として注目され続けることでしょう。
平屋の注文住宅は後悔しやすい?
平屋の注文住宅は後悔しやすい、という声を聞くことがあります。どのような住宅であっても、メリット・デメリットはあるものです。どのような点から、平屋は後悔しやすいと言われているのかを見ていきます。
コスト
平屋は1階のみで構成されているため、部屋数を増やしたり、自由度を求めるとその分土地代が高くなることがあります。それでも土地代以外の部分にはコストがそれほどかからず、高額にならないと思われがちです。
しかし実際には、2階建てと比べて屋根と基礎の面積が大きくなるため、建築コストが上昇する傾向があります。そのため、土地代以外にも建築費用を考慮する必要があるのです。
防犯面
防犯の面から見ると、平屋は1階部分しかないため、2階建て住宅やマンションなどに比べると侵入が比較的容易です。
窓や玄関はもちろん、外構や庭からのアクセスも容易であるため、しっかりとした防犯対策が必要です。
日当たり問題
平屋は2階建て住宅よりも低いため、外からの光が室内に入りにくくなる傾向があります。建物の中心部は日が当たりにくく、暗さや寒さを感じることもあるでしょう。
また、周囲の建物よりも低くなるため、風通しが悪くなり、カビや結露のリスクが高まることも無視できない問題点です。
プライベート空間の確保
平屋では壁や間仕切りを最小限にして、廊下などのスペースを削減することが一般的です。これにより、プライベート空間の確保がしにくくなります。家族の生活リズムが異なる場合や、子どもの成長に伴って個室が必要になったときに、適切な間取りが確保しづらくなります。
収納問題
収納スペースについても課題が発生します。平屋住宅はワンフロアのみが使用可能なため、収納スペースが限られてしまいます。物が多い家族や大家族にとって、収納スペースが確保できないことは非常に不便です。現状で問題がなくても、将来的に家族構成が変わった場合など、収納が手狭に感じることは十分考えられます。
平屋の注文住宅で失敗しないためには?
人気の平屋の注文住宅は大きな投資ですから、失敗は避けたいものです。以下では、平屋の注文住宅を建てる際に失敗しないためのポイントをご紹介します。
平屋の価格相場は2,000万前後
平屋の注文住宅を建てる際の価格相場は、一般的に2LDK〜3LDKの木造住宅で平均約2,000万円程度とされています。この価格は、一般的な木造住宅の価格帯に属し、坪単価で言えば約60〜70万円程度です。
ただし、家の設備や仕様、デザイン、建築地域などの要因によって、この相場は変動します。特に、高級な設備や特殊なデザインを採用した場合には、坪単価が80万円を超えることもあります。
実際に平屋を建築する際には、建築費用以外にも考慮すべき費用があります。
例えば、土地代や外構費用、設備のグレードアップに伴う追加費用などが挙げられます。特に土地代は、地域や立地条件によって大きく異なりますので、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
また、建築中に予期せぬ問題が発生した場合に備えて、予備費用も確保しておくことが望ましいでしょう。
土地の選び方
平屋住宅は一般的に2階建て住宅よりも敷地面積が必要です。
郊外や田舎であれば、都市部に比べて比較的広い土地を手に入れることが可能ですが、コストパフォーマンスを重視しすぎるのは良くありません。コスパを追求しすぎると利便性が悪くなる可能性があります。
交通の便や近隣施設へのアクセスを考慮して土地を選ぶことが大切です。
併せて、ハザードマップを確認し、それを考慮しておくと安心です。
また、自治体による建築規制や用途地域の確認も忘れずに行いましょう。特に農地や山林の場合、住宅の建築に制約がある場合があります。
平屋の災害対策
平屋を建てる際の不安要素のひとつとして、自然災害が挙げられます。災害は予測が難しく、特に水害による床下や床上の浸水は平屋の住宅では特に心配されます。
この不安に対処する方法のひとつが、基礎の高さを上げることです。
一般的な住宅では、建築基準法で最低300mmの基礎が規定されていますが、多くの住宅会社は450〜600mmを標準としています。この基礎の高さをさらに上げることで、床下や床上への浸水を防ぐことができます。
高くした基礎の下部を外部収納に活用できるなど、浸水対策以外のメリットもあります。
一方で、基礎の高さを上げる工事には費用がかかる上、玄関アプローチの階段の段数が増えるなどのデメリットも考えられます。しかし、災害時の被害を最小限に抑えるためには、このような対策が有効です。
また、地震災害への対策としては、耐震性のある工法で家を建てることが最大の有効策だと言えます。
最強コスパの2×4(ツーバイフォー)で平屋を建てる
引用画像:MOMOはうす
在来工法よりも建設コストがかからない2×4工法とはどのようなものなのか、2×4工法を用いて平屋住宅を建てると、どのようなメリット・デメリットがあるのか、2×4工法について詳しく見ていきましょう。
2×4(ツーバイフォー)工法とは
住宅の建築方法のひとつであり、主に北米で発展してきた建築方法です。現在は日本国内でも広く普及しています。
2×4工法には以下のような特徴があります。
・壁で支える構造
柱や梁などの骨組みで建物を支える在来工法に対し、2×4工法は床・壁・天井の6面で構成し建物を支える「箱型構造」です。
・高い耐震性と耐風性
2×4工法は地震や風など、外からの圧力を6面で分散して吸収するので、揺れを抑えることができます。日本のように地震が多い地域では、この耐震性が大きなメリットです。
・耐火性能
壁に石膏ボードを使用しているため、耐火性能が高くなります。石膏ボードは火に強く、燃え広がりにくい素材であるため、万が一の火災時でも延焼を抑える効果があります。
・気密性・断熱性の向上
壁や床、天井が一体化している構造であるため、気密性や断熱性が高くなります。冷暖房の効率が良く、室内の温度管理がしやすいのが特徴です。
・短い工期
2×4工法は、あらかじめ工場で製造された部材を現場で組み立てることが多いため、工期が短く、効率的に建築できます。工期が短いということは、その分コストカットにも繋がるのでコスパの良い工法だと言えます。日本の在来工法に比べて、安定した品質で施工できることもメリットです。
2×4のメリットとデメリット
2×4工法のメリットは先に挙げた特徴の数々がそのメリットとなります。コスパが良く、高い耐震性や気密性が快適な生活をもたらしてくれます。
逆に、デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
・間取りの自由度が低い
2×4工法は壁で建物を支えている工法であるため、「壁をなくして部屋一面の大きな窓を作る」、「曲線を活かした部屋を作る」などは難しいです。
・リフォームが難しい
2×4工法は壁で建物を支えている工法であるため、壁を取り壊す必要があるリフォームはできません。
・結露が生じやすい
2×4工法は気密性が高いことが特徴であり、メリットでもあります。しかし、施工の仕方によってはこの特徴のせいで結露が生じる可能性があります。施工の際には、事前に結露や防湿対策を行っているかどうか調べておく必要があるでしょう。
【関連記事】2×4工法の特徴とは?メリット・デメリットを解説
岡山でおすすめのハウスメーカー3選
引用画像:MOMOはうす
トータルホーム(MOMOはうす)
トータルホーム(MOMOはうす)は、岡山県岡山市を拠点に注文住宅や不動産事業を展開している工務店で、地域に密着した丁寧なサービスを提供しています。特に同社が手がける超低価格の規格住宅「MOMOはうす」は、高い評価を得ており、低コストでマイホームを持ちたい方に最適なハウスメーカーです。
低価格ながら高品質で洗練されたデザインを実現しているのは、打ち合わせの簡素化や広告費の削減といったトータルホームの工夫によるものです。また、共同仕入れでメーカー品を安価に調達し、無駄のない人員配置で効率的に作業を進めることで、さらにコストを抑えています。
「MOMOはうす」の間取りは2LDKから5LDKまで全55プランが用意されており、岡山県エリアではモデルハウスも随時公開されているため、実際に見学して確認することができます。
トータルホームミサワホーム
ミサワホームは全国展開しているハウスメーカーであり、岡山県にも支店を置いています。
ミサワホームの特徴的な「蔵のある家」は平屋タイプにも取り入れられており、2つの大収納空間が平屋の難点であった収納問題も解決します。収納スペースを有効活用することで、居住空間を広く保ちながら、快適な生活を送ることができる設計が支持されています。
岡山県内には複数のモデルハウスや展示場があり、実際にミサワホームの住宅を体験できる環境が整っています。さらに、地元密着のアフターサポートも充実しており、購入後のメンテナンスやリフォームに関するサポートも安心して受けられる点が、岡山でのミサワホームの強みとなっています。
このように、岡山の気候風土や生活スタイルに合わせた設計やサービスを提供することで、地域に根差した家づくりを行っているのが、ミサワホーム岡山の大きな特徴です。
ミサワホーム岡山一条工務店
一条工務店は、日本を代表する住宅メーカーのひとつです。「家は、性能。」という企業理念を掲げ、住み心地や耐久性を重視した家づくりに力を入れています。
平屋住宅にもこだわっており、収納の少なさや防犯面の不安、断熱性能など様々な「気になる」ポイントを一条工務店ならではの「性能」で解決した家づくりが叶います。
一条工務店は、全国展開しているハウスメーカーであり、岡山県にも複数の展示場を置いているので実際に住宅を見学することが可能です。
一条工務店【関連記事】全国規模のハウスメーカーと地域密着工務店の選び方を解説
最近、平屋の注文住宅の人気が急上昇しています。その理由は多岐にわたります。まず、団塊世代の高齢者にとって、階段のないバリアフリーの住まいが重要であり、平屋は安全で移動が楽なため特に好まれています。広い土地が必要なため建築費用は高くなりますが、効率的な間取りが可能です。
また、リモートワークの普及により通勤の必要性が減少し、都心部から郊外への移住が進んでいます。広い土地を持つ郊外では、平屋住宅の需要が増加しています。さらに、平屋は耐震性の面で優れており、必要な壁の量が少なくて済むため、間取りの自由度が高いです。
子育て世代にも平屋は好評です。階段がないため安全で、将来的に部屋を増設することも容易です。しかし、平屋にはコストや防犯面での課題もあります。土地代や建築費用が高くなる場合があり、1階部分の侵入リスクも考慮が必要です。
日当たりや風通しの面でも工夫が必要です。平屋は高さが低いため、日光が入りにくく、風通しが悪くなることがあります。収納スペースも限られるため、設計段階での工夫が求められます。
失敗を避けるためには、予算をしっかり計画し、災害対策も講じることが重要です。例えば、基礎の高さを上げることで浸水リスクを軽減できます。このように、平屋の注文住宅には多くの利点がある一方で、デメリットも理解し、対策を講じることが重要です。