省エネ住宅でお財布に環境にも優しい暮らしを始めよう!
公開:2024.02.28 更新:2024.02.28省エネ住宅は、今や私たちの生活において欠かせない選択肢となっています。その理由は、環境への負荷を減らしつつ、光熱費を節約できることからです。地球温暖化対策の一環として、省エネ住宅を選ぶことは、個人のお財布と地球環境の両方に優しい選択です。今回は、省エネ住宅のメリットやデメリット、さらには補助金や減税制度について詳しく見ていきましょう。
目次
どんな家を省エネ住宅と指すのか?
地球資源や地球エネルギーには限りがあります。そのため近年、エネルギーの安定供給と地球温暖化防止に向けた省エネ化が早急に取り組むべき課題として注目されています。そこで住宅建設分野における省エネ住宅や省エネの義務化についてご紹介します。
◇省エネ住宅とは
省エネ住宅とは、各家庭で使用する冷暖房器具によるエネルギーの消費量を抑えるための取り組みで、省エネに効果的な建築資材や設備を導入した住宅のことをいいます。ちなみに経済産業省の資源エネルギー庁では、「断熱と日射遮蔽・気密」という3点を省エネ住宅の3本柱として掲げています。
冷暖房器具によるエネルギー消費を最小限に抑えることのできる住宅を省エネ住宅と定義付けしています。具体的には、一般家庭における冷暖房のエネルギー消費率は約30%を占めているともいわれています。したがってこうしたエネルギー消費率の30%を抑制できれば、省エネ性能の高い住宅ということになります。
断熱性や気密性の高い省エネ住宅を建てた場合、外の冷たい空気が室内に入りにくくなり、室内の温かい空気が外に逃げることもなくなります。そうなれば1日中冷暖房器具を使用しなくても、室内温度が極端に高くなったり低くなったりすることもありません。
◇将来的に義務化される?
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素化の動きが世界的に高まっています。住宅建築の分野では、2025年以降に新しく住宅を建てる際には省エネ基準への適合が義務化されるといわれています。従来なら、オフィスビルなど一部の建物のみがその対象となっていました。
ところが2025年以降は、一般家庭における新築住宅についても省エネ基準の等級4が満たされないと省エネ住宅とはみなされません。つまりは断熱材の厚さや窓の構造など、一定の省エネ基準が満たされない住宅は建てられなくなるということです。省エネ基準の等級4は最低ラインであり、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、省エネ基準が段階的に引き上げられる予定です。
この省エネ基準の段階的な引き上げについては、2030年にはZEH(ゼッチ)基準レベルまで引き上げられるともいわれています。このZEHレベルとは「Net Zero Energy House」の省略語で、省エネを実現しながらもさらに再生エネルギー設備を導入することで、一年当たりに消費するエネルギー量の収支をゼロにするといった住宅のことをいいます。
省エネ住宅のメリットとデメリット
画像出典先:フォトAC
仮に2050年以降に岡山で注文住宅を建てたいという場合には、岡山に限らず全国的な規模で省エネ基準への適合が義務化されるともいわれています。もちろんそうした省エネ基準への適合は、現時点では少々ハードルが高いかもしれません。しかしながら、省エネ効果で光熱費の負担が軽減されるのであればありがたいことです。ここでは、省エネ住宅のメリットやデメリットについてご紹介します。
◇メリット
省エネ住宅のメリットとして、真っ先にあげられるのは冷暖房器具を1日中付けっぱなしにしなくても快適に過ごすことができるということです。といいますのは高断熱高気密な省エネ住宅は、冬であれば寒い外気が室内に侵入しにくくなります。一方夏であれば、暑い外気が室内に侵入しにくくなります。それにより、冷暖房機に常時依存しなくても快適に過ごすことが可能になります。
それと同時に、冷暖房機による年間消費エネルギー量も減るので光熱費の負担も軽減します。さらには高断熱高気密な省エネ住宅は、防音とまではいかなくても遮音効果も期待できるようになります。その他にも、屋外と室内との温度差による窓ガラスの結露なども激減します。
ちなみに結露をそのまま放置すると、カビが発生したりダニが繁殖するようにもなります。それによる健康被害も気にならなくなります。その上、窓枠や壁にまで結露による水分が浸透してしまうと住宅の劣化も早まります。また省エネ住宅は、各種の補助金制度が利用できたり税制面での優遇処置が受けられるようにもなります。
◇デメリット
省エネ住宅のデメリットとしては、高断熱高気密な外壁材や窓・床材などを使用しないといけないので、従来の建築資材に比べて高額になってしまいます。つまりは、導入のための初期費用が高額になることが予想されます。現時点では、省エネ住宅に特化した住宅業者が少ないため専門の業者を探す手間も必要になります。
省エネ化の補助金や優遇・減税制度
今後省エネ住宅を建てる際には、国や自治体から補助金や助成金を受けることができます。あるいは優遇制度や減税制度も利用できるようになります。とりわけ省エネ住宅の基準を満たすためには、高断熱高気密な建築資材を使用することにもなるので初期導入費用が高額になることが予想されます。そこで国や自治体からの補助金や助成金、さらには優遇制度や減税制度についてご紹介します。
◇補助金・助成金
省エネ住宅の補助金には、「子育てエコホーム支援事業」という補助金制度があります。これは、18歳未満のお子さんをお持ちの子育て世代、あるいはご夫婦のいずれかが39歳以下の比較的若いご夫婦世帯に対しての省エネ住宅用の補助金制度です。
具体的な補助金額については、長期優良住宅であれば100万円で新築のZEH住宅には80万円となっています。その代わり2024年度は上述した通りですが、年度ごとに補助金制度が変わる可能性もあります。そしてZEH住宅への支援事業として、ZEH実証事業という補助金制度もあります。
その他にも、LCCM住宅整備推進事業や地域型住宅グリーン化事業などがあります。こうした国からの補助金制度以外にも、各自治体が行っている省エネ住宅向けの補助金や助成金制度も各自治体ごとに申請すれば支援を受けることが可能です。
◇優遇制度・減税制度
省エネ住宅に向けた減税制度としては、住宅ローン控除と呼ばれる所得税の減税制度があります。あるいは新築の省エネ住宅を建てた際には、法務局への不動産登記が必要になります。その際に発生する登録免許税が減税される制度もあります。さらには不動産取得税も発生しますが、そうした税金や固定資産税なども減税されます。
こうした補助金制度や減税制度は、一定の要件を満たす必要もあります。そのためご自分で調べるか、もしくは施工会社にご相談されるとアドバイスを受けることができます。
省エネ住宅は、冷暖房器具のエネルギー消費を抑えるために高断熱性や気密性を備えた住宅です。経済産業省の資源エネルギー庁では、省エネ住宅を「断熱と日射遮蔽・気密」という3点を柱として位置付けています。
これらの要素により、外気の侵入を抑えるとともに、室内の温度を一定に保つ効果があります。また、2050年までに新築住宅に義務化される見込みで、省エネ基準に適合しない住宅は建てられなくなるでしょう。
これにより、光熱費の削減や快適な室内環境が得られる一方で、初期費用が高額であることや、補助金や減税制度の利用が必要です。そのため、自治体や国の支援を受けながら、地球温暖化対策とエネルギーの節約に貢献する取り組みと言えます。