岡山の注文住宅における2×4工法の自由度と可能性
公開:2024.01.29 更新:2024.01.29岡山で注文住宅を建てるなら、2×4工法について知っておきましょう。近年、ハウスメーカーを中心に注目されている2×4工法は、耐久性や耐震性に優れており、家づくりに採用することで長期的に安心できる住まいを実現できます。機密性能や断熱性能も高く、外気に左右されない快適さを叶えられる点もメリットといえるでしょう。
高性能な一方で、構造上取り壊せない壁が外壁と室内に存在するため、間取りやリフォームを検討する際に自由度が低く感じるかもしれません。
目次
日本の従来の工法とはまるで違う「2×4工法」
日本では古くから木造軸組工法によって木造建築の発展を続けてきました。こちらでは、近年注目されている2×4工法を紹介します。
2×4工法とは?
2×4インチ(5.08cm×10.16cm)の角材で組んだ枠に対して、角材を合板に貼り付けた木製パネルを貼り付け、これを6面組み合わせることで箱状の空間を作り出す工法が2×4工法です。
2×4工法は部材や施工方法をシステム化できることからハウスメーカーを中心に採用が広がっており、現在では日本の新築住宅のおよそ1割強が2×4工法によって建てられているといえるでしょう。
柱の代わりに壁、梁の代わりに床や天井で支えることで「面」で建物の荷重を支えることから「木造枠組壁工法」とも呼ばれています。
従来の建築方法との違い
これまで、日本の伝統的な木造建築では木造軸組工法が採用されてきました。
面で建物を支える2×4工法とは対照的に、木造軸組工法は柱や梁などの線で支える構造です。
木造軸組工法では柱や梁で骨組みを作り、そこに斜めに木材を渡した筋交によって土台を補強していきます。このように線によって骨組みが形成されることから、木造軸組工法は間取りの自由度が高いのが特徴です。
しかし木造軸組工法は部材や施工方法をシステム化することが難しく技術が求められることから、職人の質が仕上がりに影響する可能性があるでしょう。
注文住宅における2×4工法のおすすめポイント
岡山で注文住宅を建てる際、2×4工法を採用することによって得られるさまざまな利点について知っておいて損はないでしょう。こちらでは、2×4工法の特徴について詳しく紹介します。
自然災害に強く耐久性も抜群
2×4工法は建物を床・壁・天井の6面に力を分散して支えることで、自然災害の揺れや荷重を建物全体でバランスよく受け止めます。そのため、2×4工法の建物は耐震性、耐風性に優れているといえるでしょう。
また、木を構造体としている2×4工法は高い耐火性能を誇ります。2×4工法によって建てられている建物は、そのほとんどがファイヤーストップ構造を採用しているのです。そのため、特別な対策を施さなくても「省令準耐火構造」を満たせる点は2×4工法のメリットの1つといえます。
大きな断面を持つ2×4工法の木材に火が燃え移ったとしても、表面のみが炭化し内部まで火が届きにくいことから、鉄筋コンクリート造と同等の耐火性能の実現が可能です。
遮音性も高く省エネルギー
2×4工法の外壁面は、石膏ボード、構造用面材、断熱材、外壁材などからつくられる多重構造になっていて、気密性が高いのも特徴です。
多重構造で実現された高い気密性によって、音を伝える空気の流れが遮断されます。そのため、2×4工法では家の外に音が漏れにくく、多層の壁が音を吸収することで家の内外に音が伝わりにくくなっているのです。
さらに2×4工法は、気密性だけでなく断熱性も高いことから、夏は涼しく、冬は暖かいという、外気に左右されない快適な住まいが実現できます。室内を常に快適な温度に保つ性質があるため、2×4工法の家は省エネルギーであり光熱費を削減できるメリットがあるといえるでしょう。
工期が短い
2×4工法では工場でパネルを制作し、そのパネルを現場で固定することで組み立てていきます。そのため工期が短い場合でも、品質が安定しやすい点も特長の1つです。
2×4工法は自由度が低く制約が多い部分も
2×4工法には耐久性や省エネルギー性など様々なメリットがある一方で、新築時に間取りを考える際や、将来的にリフォームを行う上では構造上の制約が多く自由度が低い点に注意が必要です。こちらでは、2×4工法を採用した際に起こりうるデメリットについて紹介します。
間取りや外観の希望がかなえにくい
2×4工法は建物を壁で支えているため、間取りを考える上で無くすことのできない構造体の壁が発生してしまいます。
そのため壁をなくして部屋一面の大きな窓を作るなど、広い空間を理想とした間取りに対しては、2×4工法は不向きであると言えるでしょう。
構造部分でコストがかかる
構造部分は目に見えない部分となるため、木造軸組工法などの場合は法令の範囲内で材料を変更して、建築にかかるコストを削減できる場合があります。
その一方で2×4工法は、構造体として使用する木材の規格が固定されていることから、構造部分にかかるコストを削減することは難しいです。
しかし、規格化されていることにより、耐震性などの品質が一定に確保されており、より安心して長期間住み続けられる工法であるとも言えるでしょう。
リフォームがしづらい
2×4工法を採用すると、構造体となっている壁が外壁面だけでなく室内にも出てきます。構造的に無くすことのできない壁があるため、リフォームを検討する際に問題になる場合がある点にも注意が必要です。
日本の伝統的な木造軸組工法に対し、2×4工法は2×4インチの角材で組み、合板と組み合わせて箱状の空間を作り出す建築方法です。近年、ハウスメーカーを中心に採用されており、1割強の新築住宅がこの方法で建てられています。従来の木造建築と異なり、2×4工法は面で建物を支えるため耐久性が高いです。
ほかにも耐震性や省エネルギー性が高く、工期が短いといった利点があります。ただし、間取りや外観の自由度が低くなる場合があり、構造部分のコストがかかりやすく、リフォームが制約される点には留意が必要です。