2×4工法の家は高気密・高断熱 – 工務店・ハウスメーカーを紹介
公開:2023.10.24 更新:2024.09.30「ツーバイフォー工法って在来工法と何が違うの?」「家を建てるならメリットとデメリットをちゃんと知っておきたい!」こんな悩みを解決するための記事です。
ツーバイフォー工法は、耐震性やコスト面で注目されていますが、他の工法との違いやリフォームの難しさなども気になる点です。
本記事では、ツーバイフォー工法の基礎からメリット・デメリット、他の工法との比較まで、わかりやすく解説していきます。
目次
■この記事を読むと得られる3つのこと
・ツーバイフォー工法の基本構造と特徴が理解できる
・ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを知ることができる
・在来工法など他の工法との違いが明確になる
この記事を読めば、家づくりにおけるツーバイフォー工法の適性を判断でき、後悔しない工法選びができるようになります。
ツーバイフォー工法の定義・基礎知識
ツーバイフォー工法の基本構造
ツーバイフォー工法(2×4工法)は、建物を「面」で支える構造が特徴です。
従来の柱や梁で支える在来工法とは異なり、床や壁が一体となって荷重を分散させるため、地震や台風に対して非常に強いとされています。また、建物全体が箱のような構造になるため、安定した強度を発揮します。
使用される資材の名称と種類
ツーバイフォー工法で使用される資材は、基本的に「2×4材」と呼ばれる規格材です。
これに加えて、2×6材や2×12材など、必要に応じてサイズが異なる構造用製材も使われます。これらの材料は規格が統一されており、品質にムラが少なく、均一な性能を確保できる点もメリットです。
床や壁で支える「面構造」とは
ツーバイフォー工法の最大の特徴は、建物を「面構造」で支える点です。
床・壁・天井が一体となって構造を形成しています。ですので従来の柱や梁に頼らずに建物全体を支えるため、荷重が分散しやすく、特に耐震性が向上します。この面構造によって、住宅全体がバランスよく強度を保てる設計となっているのです。
ツーバイフォー工法と他の工法の違い
画像出典:フォトAC
ツーバイシックス工法との違い
ツーバイシックス工法は、ツーバイフォー工法と同じく木造枠組壁工法ですが、使用する木材のサイズが異なります。
ツーバイフォー工法では2×4インチの木材を使いますが、ツーバイシックス工法では2×6インチの材を使用するため、壁の厚みが増し、断熱性能が高くなります。
これにより、より寒冷な地域や気密性を重視した住宅に向いています。また、壁の厚みがある分、耐久性や防音性能も向上するということです。
在来工法(木造軸組工法)との違い
在来工法は、日本の伝統的な工法で、木材の柱と梁で建物を支える方法です。
ツーバイフォー工法は壁や床で建物全体を支える「面構造」ですが、在来工法は柱や梁で「点」で建物を支えています。
これにより、在来工法では間取りの自由度が高く、大きな窓や開放的な空間を作りやすいという利点です。しかし、耐震性や耐風性の面ではツーバイフォー工法が優れています。
関連記事:在来工法と2×4工法の耐震性やコストにおける違いを解説
SE構法との違い
SE構法は、鉄骨造のように強度を持たせるために「ラーメン構造」と呼ばれるフレームで建物を支える工法です。
この構法では、ツーバイフォー工法と比べてさらに大規模な空間やデザインの自由度が高くなります。
鉄骨やコンクリートを使用するため、耐震性や耐火性が非常に高いのが特徴です。しかし、建設コストが高く、施工に時間がかかる点がデメリットです。
ツーバイフォー工法のメリット
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耐震性に優れている
ツーバイフォー工法の最大のメリットは、耐震性が高い点です。
この工法では「面」で建物を支えるため、揺れが建物全体に分散されやすく、地震の衝撃を和らげる構造になっています。国土交通省のデータでも、ツーバイフォー工法は震災時に高い耐震性を発揮することが報告されています。
火災や台風にも強い
ツーバイフォー工法は、火災に強い建物が作れることも大きな特徴です。
構造材が密に組まれているため、火の燃え広がりを防ぎやすく、消防法などでも評価されています。また、台風の強風にも耐えられるため、自然災害に強い住宅を望む方に適しています。
長く住み続けられる耐久性
耐久性に優れた住宅もツーバイフォー工法の魅力です。
この工法では、構造材が一体となって建物全体を支えるため、長期間にわたって住み続けることが可能です。実際に、築30年以上のツーバイフォー住宅が良好な状態で維持されている例も多くあります。
光熱費を抑える省エネ性
ツーバイフォー工法は気密性が高く、断熱性能にも優れています。
これにより、夏は涼しく、冬は暖かい家を作ることができ、光熱費の削減に貢献します。特に、エネルギー効率を重視する家庭にとっては大きなメリットです。
気密性・遮音性が高い
気密性が高いことに加え、遮音性も優れています。
壁や床が密に構成されているため、外部からの騒音を遮断し、静かで快適な生活環境を提供します。特に、交通量の多い地域や騒音のある環境に家を建てる場合、このメリットは非常に重要です。
工期が短く、建設コストが低い
ツーバイフォー工法は工期が比較的短いことも魅力です。規格化された資材を使い、効率的に施工が進むため、従来の工法よりも早く家が完成します。また、建設コストも抑えられるため、予算内で質の高い家を建てたい方に適しています。
小屋裏を有効活用できる
ツーバイフォー工法のもう一つの利点は、小屋裏や屋根裏空間を有効に活用できることです。建物全体が面構造で支えられているため、屋根裏部屋などを作りやすく、収納スペースや趣味の部屋として活用することが可能です。
関連記事:在来工法と2×4工法の耐震性やコストにおける違いを解説
ツーバイフォー工法のデメリットと対処法
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間取り変更やリノベーションが難しい
ツーバイフォー工法の建物は「面構造」によって支えられています。そのため壁を取り外しや、間取りを大幅に変更するリノベーションが難しいというデメリットがあります。
壁の一部が建物の構造を支えているため、取り外すと強度が落ちてしまうためです。これに対処するためには、事前に将来の間取り変更の可能性を考慮した設計を行うことが重要です。
また、リノベーションを希望する場合は、専門的な施工業者と相談し、構造に影響を与えない範囲で行うことが推奨されます。
構造体のコスト削減が難しい
ツーバイフォー工法は資材が規格化されているため、建物の強度や品質が保たれる一方で、資材の変更によるコスト削減が難しいとされています。
特に、安価な資材を使ってコストを抑える選択肢が少ないため、全体的な建築費用はほぼ一定の基準に依存します。費用を抑えたい場合は、施工の早さや工期の短縮によってコストを軽減することを検討するのが現実的な方法です。
施工業者が限られる
ツーバイフォー工法は、在来工法と比べて特殊な技術が必要なため、施工できる業者が限られるという点もデメリットです。
特に、地方ではツーバイフォー工法に対応できる業者が少ないことがあります。そのため、施工業者を選ぶ際には、工法に精通した業者を選ぶことが重要です。施工業者が少ない地域では、施工業者を事前に十分に調査し、複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
施工中の雨天リスク
ツーバイフォー工法は、施工中に木材を多く使用するため、雨が降ると木材が濡れてしまい、後々の品質に影響を与える可能性があります。
木材が水分を吸収すると、カビが発生したり、木材が変形するリスクが高まります。これを防ぐためには、施工中の天気予報を確認し、雨天時の対策として仮設のカバーやシートを用意することが重要です。
特に長期間の雨天が続く場合には、施工のスケジュール調整も検討が必要です。
音が響きやすい内部構造
ツーバイフォー工法の建物は、壁や床が密に構成されているため、音が内部で反響しやすい傾向があります。
特に、二階建てや吹き抜けの家では、足音や物音が響きやすく、生活音が気になることがあります。
対策としては、遮音性の高い建材を使用したり、カーペットやカーテンを利用することで、音の反響を抑えることが可能です。また、建築時に遮音性を高める設計を行うことで、生活音のストレスを軽減することができます。
実際にツーバイフォー工法で建てられた家の実例
アメリカンスタイルの外観
ツーバイフォー工法は、アメリカやカナダで一般的に使われているため、アメリカンスタイルの外観を取り入れやすい特徴があります。
広いポーチや大きな窓、シンメトリーなデザインが魅力的で、開放感を感じさせる外観が人気です。また、耐久性が高いため、長く美しい外観を維持することができます。
実際、アメリカンスタイルのツーバイフォー住宅は、日本でも郊外の住宅地でよく見られるスタイルの一つです。
キューブスタイルのシンプルデザイン
ツーバイフォー工法を使った家では、キューブスタイルのシンプルなデザインも人気です。
このスタイルは、直線的で無駄のない外観が特徴で、現代的なイメージを与えます。ツーバイフォー工法の面構造を活かして、大きな窓やシンプルな壁面を実現することが可能です。
都市部の狭小地でも、このスタイルは非常にフィットしやすく、限られた空間でもモダンな雰囲気を演出できます。
吹き抜けやロフトを活かした開放感
ツーバイフォー工法のもう一つの魅力は、内部空間を広く活かせることです。
特に、吹き抜けやロフトを取り入れたデザインは、家の中に開放感を持たせるのに最適です。ツーバイフォー工法の強度を活かして、広い空間を確保しつつも、しっかりとした構造を維持できます。
実際、リビングに吹き抜けを設けたり、子ども部屋にロフトを作るなど、自由な空間デザインが可能です。
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ツーバイフォー工法で後悔しないための選び方
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自分に合った施工業者の選び方
ツーバイフォー工法は特殊な技術が必要であり、施工できる業者が限られることがあります。そのため、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。
選び方のポイントとしては、ツーバイフォー工法の実績が豊富な業者を選ぶことや、施工後のアフターフォローがしっかりしているかどうかを確認することが挙げられます。また、業者が提供する過去の施工事例を確認し、自分の理想の家に近いものがあるかどうかもチェックしましょう。
口コミや評判を参考にした判断
業者選びの際には、口コミや評判も大切な参考材料となります。
実際にその業者で建てた人の声を聞くことで、施工の質や対応の良さ、問題があった場合の対処などを知ることができます。また、業者のホームページだけでなく、第三者の口コミサイトやレビューを確認することも効果的です。
評判の良い業者を選ぶことで、安心して家づくりを進めることができますし、ツーバイフォー工法を最大限に活かした家を手に入れることができます。
ツーバイフォー工法を採用している日本の主要な工務店やハウスメーカー
ツーバイフォー工法を採用している日本の工務店やハウスメーカーは、この革新的な建築技術を用いて、持続可能で安全、かつエネルギー効率の高い住宅を提供しています。
特にこの分野でのリーダーとされる企業の取り組みを詳述し、どのようにして彼らが市場において差別化を図っているのかを探ります。
トータルホーム(MOMOはうす)
トータルホームは岡山県岡山市で注文住宅事業や不動産事業に携わっている工務店で、地元密着型のキメの細かいサービスを得意としています。
特に同社が提案する超低価格規格住宅「MOMOはうす」は、ユーザーから高い評価を得ており、ローコストでマイホームを実現したい人におすすめです。
低価格でありながら、高品質でしかも洗練されたデザインが楽しめるのは、打ち合わせを簡略化し、宣伝広告費をカットするといったトータルホームの工夫によるものです。
共同仕入れによってメーカー品を安く購入し、ムダのない人員配置で効率よく作業を行うことも、ローコストの実現に役立っています。
MOMOはうすの間取りは全部で55プラン、2LDKから5LDKまで多彩なプランが揃っています。岡山県エリアではモデルハウスも随時公開されていますので、実際に自分の目で見て良さを確かめることができます。
トータルホーム三井ホーム
三井ホームは、「MOCX GREEN PROJECTO」によって環境に優しい木の家つくりを推進しているハウスメーカーです。1974年の会社設立以来、日本での2×4工法のリーディングカンパニーとして、数多くの実績を積み重ねてきました。
断熱性や耐震性・断熱性に優れたの2×4工法基本性能を日本の風土や気候に合わせて進化させ、40年間に渡って培ってきた技術を「プレミアム・モノコック構法」へと昇華させています。
プレミアム・モノコック構法では、従来の2×4工法に三井ホームオリジナルの「ダブルシールドパネル(DSP)」や「ブロック・アンド・シームレスウォール(BSW)」などといった最新技術が加えられています。
ブロック・アンド・シームレスウォールは継ぎ目がなく、災害に強い外壁で、耐火性や遮音性が高いだけではなく、見た目の美しさでも高い評価を受けています。
三井ホームセルコホーム
宮城県仙台市に本社を置くセルコホームは、カナダ輸入住宅の分野ではNo.1のハウスメーカーとして知られています。1959年10月に設立されて以来、全国的に支店・営業所を展開し、カナダにもオフィスを構えています。
セルコホームでは住宅先進国であるカナダに学び、2×6(ツーバイシックス)工法を採用した「THE HOME」を適正な価格で提供しています。THE HOMEは高い住宅性能とデザイン性を備えた堅牢なつくりで、住む人に喜びをもたらす快適な住まいとして人気を呼んでいます。
先住民族と、世界中の国から移住してきた住民たちが共存するカナダのマルチカルチュラリズム(多文化主義)を背景に生まれたTHE HOMEは、エネルギーパス最高ランク「S+」に認定されています。
独自のファストビルド工法を採用しているため、建設費を圧縮して価格を抑えてあるだけではなく、安心の20年保証も付いています。
セルコホームパナソニックホームズ
パナソニックホームズもまた、ツーバイフォー工法を利用した住宅建設で知られており、技術の革新と顧客ニーズの細かな対応を通じて市場での地位を確立しています。
彼らは、環境に優しい建築材料と最先端の家屋技術を組み合わせ、エネルギー消費を抑えつつ居住者の快適性を最大限に保つ住宅を提供しています。
パナソニックホームズツーバイフォー工法は木造住宅の一つで、気密性、断熱性、耐震性に優れ、工期が短い特徴があります。在来工法とは異なり、構造材に2×4インチの木材を使用し、面で建物を支えます。この工法は高い気密性と断熱性を持ち、省エネに優れています。
一部の工務店やハウスメーカーは、2×4工法を採用して環境に優しい住宅を提供しており、最新技術を取り入れたり、耐震性やデザイン性を向上させたりしています。
これには、トータルホーム、三井ホーム、セルコホームなどが含まれます。それぞれが異なるアプローチで2×4工法のメリットを活かして住宅を提供しています。